♪*♪*ニホンミツバチさん、いらっしゃい♪*♪*(ミツバチ巣箱づくり)

3月19日(土)ニホンミツバチの巣箱づくりに参加してきました。

目的は「ニホンミツバチを通して考える美しき自然」

野生であるニホンミツバチが暮らしやすい環境を提供することは、同時に美しい自然を守ることでもあります。ニホンミツバチの巣箱作り、設置、飼育をしながら一緒に楽しく生きものの賑わいを取り戻す環境を目指しましょう。

巣箱の設置も予定してましたが、前日の雨で田んぼぬかるんでるので後日に。

mitsubachi43

これが完成した巣箱で、ニホンミツバチの養蜂でポピュラーな重箱式巣箱。

スノコは中蓋で、右下の上蓋を被せて設置します。

色々な仕掛けがありますが、それはこの記事で説明して行きます。

mitsubachi01

こちらが中蓋を外した様子。重箱には井桁状に針金が通してあります。

mitsubachi02

こちらが上蓋を除く主要パーツ。左下は基台と底板が一体になったもの。

金網は「巣門」というミツバチの出入り口です。

mitsubachi03

これらを、谷道さんの指導で作成します。

同氏は以前、川越のマコモタケ栽培でも記事にさせて頂きました。

 

養蜂はマコモの葉の間の水(栄養があり甘い)をハチが飲み来たことがきっかけ。

https://www.facebook.com/かわごえ山里のマコモタケ-216923975002383/

mitsubachi04

‖ その前にちょっと予習

セイヨウミツバチとニホンミツバチとでは巣箱の構造が全く異なります。

参考までに下記のサイト等を見ておくとわかり易いと思います。

(巣が「巣板」という鉛直方向に伸びる平面状の構造なのが大きな特徴)。

http://bee.agriart.info/?p=1813

また、ニホンミツバチの動画がありましたのでそちらもご覧下さい。

スクリーンショット 2016-03-25 7.32.41

https://www.facebook.com/hkosekawagoe/videos/1057984547581104/

※東洋大学の小瀬先生から転載許可を頂いています。

 

‖ 主要パーツづくり

今回は参加者20名で手分けして重箱式巣箱を6個作成します。

上蓋

巣箱の一番上に乗せる上蓋。

耐水性に優れたコンクリート型枠用合板を使っています。

設置時にはさらにこの上に雨除けのビニルトタンを被せます。

mitsubachi05

ハチはすのこ状の「中蓋」の下に巣を作って行きます。

上蓋がくっついて外せなくならないように金網を張ります。

mitsubachi06

金網をホチキスの針をコの字のまま差し込むタッカーという器具で留めます。

mitsubachi07

これでできあがり。

mitsubachi44

重箱

中蓋からこの重箱の中に「巣板」が作られます。

巣箱は3段重ねで、上段に蜂蜜を貯蔵、中段が幼虫の育児をするエリア。

そして、下段が雄と女王蜂が暮らし卵を生むエリアです。

蜜を採取する際は、上段と中段の間を包丁で切って取り外し、下段に移します。

すると、幼虫の育児エリアが一番上になるので、ハチは幼虫を下ろします。

このようにして、箱を循環させる仕組みになっています。

mitsubachi08

重箱は杉の板を使っています(本当は桜がベストとのこと)

長さは250〜350mm、高さは100mm〜150mm、厚さは25〜30mm。

長さは、この寸法から外れるとハチが巣を作り難い。

高さは、ハチが1年間に溜める蜜の量(貯蔵庫の大きさ)に合わせて。

厚さは保温性などの意味があります。

杉の板はビスで留めるので予めには穴を空けておくと作業がし易い。

mitsubachi09

杉板も新品ではなくアク抜きのために1ヶ月程水に漬けてあります。

直前には、適当な濃度のはちみつを溶いた水に漬けるそうです。

 

また、赤丸の位置辺りには番線を取り付ける穴が空けられています。

mitsubachi10

ビスで板を固定する。

箱を積み重ねるので水平方向の面は合わせる必要があります。

また、板が反り返るので木目を内側にするようにします。

mitsubachi11

和気あいあいと楽しく進む作業。

mitsubachi12

「巣板」の落下防止のために番線を井桁状に取り付けます。

mitsubachi13

縦方向が終わったら横方向にも。

mitsubachi14

これで重箱はできあがり。

mitsubachi15

次々と重箱が積み重なって行きます。

mitsubachi16

基台と底板(巣門)

底板は上蓋と同じくコンクリート台枠用合板でできてます。

ここにハチの糞やゴミがたまるのでスライドさせて掃除をします。

金網は「巣門」というハチの出入り口。50mm×10mmの大きさで5mm角の金網。

これは、夏は巣の中が高温になるので通気性を考えてのもの。

冬は段ボール等で寒さ対策をして10mm×10mmの大きさにします。

その手前のエリアはハチの発着場。中のハチはここで蜜を受け取ります。

mitsubachi17

 

‖ 天敵対策

ここからは、ニホンミツバチの3つの天敵に対しての対策です。

スズメバチ

ニホンミツバチの巣を襲い、働き蜂、幼虫、蜂蜜を狙うスズメバチ。

巣門は金網が張られているので中には入れませんが、ペットボトルで捕獲します。

これは、上にしか飛ばないスズメバチの習性を利用したもの。

10mm角の穴から中に入ったスズメバチは出ることが出来なくなります。

mitsubachi18

これを下段の重箱に穴が下になるように針金で固定します。

mitsubachi19

ハチノスツヅリガ(スムシ)

ハチノスツヅリガの幼虫が蜜蝋で出来た巣を食べ、巣に住むのでスムシとも云います。

3種類がいて2種類は日本古来のもので、10mm位の大きさ。

こちらは主に糞や巣の屑を食べる掃除屋さんです。

1種類はセイヨウミツバチとともに来た15mm位の大きさ。巣を食い荒らします。

この対策が小さく切った段ボール。

幼虫は暗い所が好きで並板状の隙間に潜り込む性質を持っています。

mitsubachi20

掃除(2週間に1回)の時に段ボールの小片を取り出して駆除します。

mitsubachi21

 

アカリンダニ

テーブルの上に並ぶのはショートニングと砂糖。

手前は蜂蜜や蜜蝋で、これも別の工程で使います。

mitsubachi22

アカリンダニはミツバチの体内に寄生。

感染すると秋から冬に増殖してハチが死んでしまうそうです。

それを防ぐのがショートニングと砂糖を1対1で混ぜたペースト。

ショートニングの成分であるパーム油の匂いがダニの雌の移動を抑えるそうです。

(砂糖はハチに食べさせるために入れます)

mitsubachi23

こんな感じで底板に浅い皿を置いて塗っておきます。

この皿にはハチの餌となる砂糖水(砂糖と水は1.対1.5)も入れます。

また、ビール酵母(20〜50gに水1リットル)も花粉代わりに与えます。

ハチミツは幼虫を育て花粉は成虫のご飯。

それを人間が頂く訳ですから代わりの餌を置かないとハチは逃げてしまいます。

お皿にはハチが溺れないように割り箸を渡して橋も作ります。

mitsubachi24

 

‖ ハチに来てもらい巣を掛けてもらう

ただ巣箱を置いただけではニホンミツバチは寄ってきません。

そこで中蓋の登場です。

mitsubachi25

ここに先ほど瓶に入っていた蜜蝋を塗っておくことでハチを呼び寄せるのです。

mitsubachi27

こちらのペースト状の蜜も、中蓋に塗ります。

mitsubachi28

ドライヤーで蜜蝋を溶かす。

mitsubachi29

中蓋がスノコになっているのもハチの習性を考えた形状。

板と板の隙間が10mmほどなのはハチが移動し易い幅。

角から巣を作る性質があるので、スノコなら角が沢山付けることができます。

mitsubachi30

午前中で6セット分の巣箱のパーツが揃いました。

mitsubachi32

 

‖ 午後の授業

午後は創作室に場所を移しての講義。

まずは、ハチミツのティスティングタイム。

mitsubachi34

クラッカーに塗られたハチミツの種類をヒントをもとに当てます。

セイヨウミツバチは特定の花の蜜を集めるので○○のハチミツが作れます。

ニホンミツバチはどんな花(ヒメオドリコソウ、ナズナなど)でも取ってきます。

mitsubachi35

クリとコーヒーは特徴がありましたが、後のはなかなか難しいですね。

それでも、3名の方が当てられました。

mitsubachi36

谷道さんの講義。

養蜂の時の服装で、手袋、帽子、網、長袖、長靴で極力隙間を無くします。

といってもニホンミツバチが襲うことはなく、ススメバチ対策です。

また、ハチは黒い服を天敵のクマと勘違いするので明るい色を選びます。

mitsubachi37

巣箱の設置場所の説明。

地面からは杭を打ち込んで50cmくらいの高さに置き害虫を防ぎます。

また、前面は10mくらい空ける、箱同士の間隔は2メートルくらい。

巣門は東〜南の方角を向けるといった注意点が説明されます。

直射日光を避け、巣箱の後ろの林があると良いとのこと。

ハチが巣箱を間違えないように重箱を留めるテープの色も変えます。

mitsubachi38

巣箱の固定には、梱包用のPPバンドを使って基礎と縛ります。

これで、風で飛んだり倒れたりすることを防ぎます。

mitsubachi39

ところで、肝心のニホンミツバチはどこから来るのでしょう?

ニホンミツバチは1万匹位のコロニーを作っていて春と秋に分蜂をします。

雄蜂が偵察を行いその後、子供の蜂ばかり約3分の1(3000匹)が移動します。

入る確率は、谷道さんの経験では6つの巣箱で3〜4とのことです。

mitsubachi40

その後、かわごえ里山イニシアチブの今後の活動の紹介を代表の増田さんから。

みんなで無農薬によるお米作り「生きものを育む田んぼプロジェクト」。

詳細は、フェイスブックにて。

https://www.facebook.com/kawagoesatoyama

mitsubachi41

柏井さんから、かわごえ里山イニシアチブとみなみかぜの活動の7つのメリットを紹介。

食の安全、生物多様性、農家支援、地域活性化、地産地消、生き甲斐、環境教育。

https://www.facebook.com/kiyoe.kashiwai

mitsubachi42

ニホンミツバチはとても環境に敏感な生き物。

彼らが暮らせる環境にするのも活動の指標になるのでこの取り組みが始まりました。

ハチミツは秋に採取出来るそうで、一つの巣箱で約1kg。

そのようすも今後お伝えして行く予定です。

取材・記事 白井紀行


INFORMATION

♪*♪*ニホンミツバチさん、いらっしゃい♪*♪*

ミツバチの巣箱作りに参加しませんか!

【日時】平成28年3月19日10:00〜16:00

【場所】川越市役所 北部地域ふれあいセンター(川越市山田1578-1

【主催】かわごえ里山イニシアチブ

【FB】https://www.facebook.com/kawagoesatoyama/

    https://www.facebook.com/events/209144202766246/(イベント)

川越市山田1578-1