残したい川越の風景〜鯨井八坂神社の天王様(夏祭り)〜

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川越市鯨井にある八坂神社。市指定の天然記念物のヒイラギが有名。

幹線道路沿いにありながらも、普段は静かな時が流れています。

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この辺りは、一見、住宅街のようですが、散策すると田んぼや畑が広がります。

大きなお屋敷や蔵も見られ、かつて名細(なぐわし)村と呼ばれた頃の面影を残しています。 02daio

そんな村人(市というよりここでは村とする方がしっくりしますね)を

興奮の渦に巻き込むのが、名細村と合併するさらに前の鯨井村の時代から伝わる

八坂神社の天王様です。

 

祭りの前

 

神社の奥に鎮座するご神体の獅子頭。

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時間まで太鼓の練習をする子供達とそれを写真に収めるカメラマン。

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さあ、祭りの始まりです!

挨拶が終わってカウントダウンされると、50kgある獅子頭を肩に担いで村に飛び出します。

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獅子頭の後ろに延びる9反9色(約10メートル)の水引を持つ子供達がそれに続きます 。

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八坂神社→初雁興業→おぎでん→鯨井菅ノ谷公園→ラメール→万作保存会会長宅→ファミリーマート→金彫橋給水所→小畦川入/出→ポンプ工場→鯨井自治会館→自治会長宅→委員長宅→井戸(獅子&水引お清め所)→八坂神社(個人名宅は一部省略しています)

という約15,000歩のコースを太鼓の先導で駆け巡ります。

クライマックスは、小畔川に入る場面。これには、ちゃんと意味があります。

 

歓声を上げ村中を駆け巡る

 

時には重い獅子頭を担いだまま走り、大きな歓声をあげて村中を駆け巡ります。

 

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庭先では、獅子の到着を待ち侘びる人の姿。

天王様は、五穀豊穣と無病息災を願う祭り。

獅子に頭を噛んでもらうとその一年は健康に過ごせると伝えられています。

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でも、子供達はちょっと不安そうな表情。

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小さな子供は、怯えてしまい、中には泣き出す子も。

頭を噛んでもらう時には、わーという歓声とともに水引をはためかせます。

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巡回ルートには、立ち寄りポイントがあります。

ここで、飲み物や食べ物を振る舞ってもらうお礼に、鯨井の万作踊りや下妻踊りを披露します。

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その間、獅子頭は用意された祭壇に祭られます。

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10時に八坂神社を出発し、村中を駆け巡り、途中、途中で踊りを披露。

ときには、真竹で水引を下から持ち上げて左右に高く振りかざすイベントも。

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いよいよ祭りのクライマックス

 

3時頃に小畔川に到着。みんなで集合写真。

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さあ、いよいよ川に入ります。ここから約500メートルほど遡っていきます。

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小畔川は、小さな川ですが、それでも深いところは、大人の股下くらいはあります。

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ときには水引をはためかせ、水しぶきを上げて進みます。

途中、子供達に担がせたり、水引の中にダイブしたりと祭りはヒートアップ。

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獅子頭にまたがって上陸。

川に飛び込むのは、獅子が頭を噛むことで取り込んだ厄を洗い流すためだそうです。

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この後、近くのポンプ場で、身体に付いた泥などを洗い流します。

再び、村中を駆け巡り、古井戸で獅子頭と水引を清めて八坂神社へと戻ります。

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時間の都合で最後まで、見ることは出来ませんでした。

けれども、半日以上、後を追いかけることで、村の人たちが祭りを楽しみにしており、

また、祭りの伝統の継承と地域コミュニティを築いていることをひしひしと感じました。

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この時の体験は、ずっとずっと、心の中に残るようです。

鯨井生まれの奥さんに写真を見せると、私の子供の頃、指導してくれたおじさんだとか。

小学校の頃に習った踊りも披露してくれました。

 

さあ。いよいよ、川越も暑い夏を迎えます。

WRITER NORI


INFORMATION

鯨井八坂神社

【住所】川越市鯨井1840

【期間】7月15日に近い土曜日(浅間様)・日曜日(天王様)

【HP】鯨井ホームページhttp://www.kujira-kujirai.sakura.ne.jp/
獅子頭と天王様について(PDF)

川越市鯨井1840